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特性は良いが熱暴走に注意 ショットキーバリアダイオード

ショットキーバリアダイオード 回路記号で動きがわかる

ご覧いただきありがとうございます。ここではショットキーバリアダイオード(Schottky barrier diode:SBD)について、ざっくりと解説いたします。金属とN型半導体を組み合わせた構造になっており、一般整流ダイオードよりも良い特性があるというメリットがある一方で、使い方によっては熱暴走を引き起こす可能性があるというデメリットもあります。特性を良く理解してダイオードを選定したいですね。

ショットキーバリアダイオードの回路記号

これがショットキーバリアダイオードの回路記号です。カソードの縦棒がS字型になっているのが特徴で、これはショットキー(Schottky)のSから来ているようです。このような角ばった形以外にも、カーブ状になっている記号などもあるようです。特性を表した記号かというと、、、そんなことはないようです。。

ダイオードということで、一般整流ダイオードと同様に一方向だけ電流を流す整流機能がありますが、構造が異なり、特性も異なります。

金属とN型半導体を組み合わせた構造

一般整流ダイオードとショットキーバリアダイオードの構造比較

一般整流ダイオードとショットキーバリアダイオードの構造を比較してみます。まず一般整流ダイオードは、P型半導体とN型半導体を接合させた構造になっています。P型半導体には多数キャリアとして正孔(電子が不足している部分で、+の電気を持ったキャリアと考えられる)がいくらか存在しており、N型半導体には同様に電子(-の電気を持ったキャリア)が存在しています。これらを接合すると、接合部付近の電子と正孔は結合して消滅し、正孔も電子もない空乏層ができます。空乏層にある結晶の原子は、正孔が埋まってーイオンになったり、電子を失って+イオンになったりしています。

一方ショットキーバリアダイオードは、金属とN型半導体を接合させた構造になっています。金属には大量の自由電子が存在していますが、電子を拘束する力が弱いので、自由電子のエネルギーはあまり高くはありません(高くなくても自由に動けるので)。それに比べてN型半導体にある電子はエネルギーが高く、接合させると接合部付近の電子は金属側に流入します。金属側の電子はN型半導体で自由電子になるほどのエネルギーはなく、これが障壁となってN型半導体側に行くことはできません。この障壁のことをショットキー障壁(バリア)といい、この接合をショットキー接合といいます。この結果N型半導体側だけに空乏層ができることになります。ちなみに「ショットキー」は、発見者の人名に由来しています。

両方とも順方向に電圧をかけると空乏層が消失し、電流が流れます。一方逆方向に電圧をかけると空乏層が拡大し、電流は流れません。どちらもダイオードですので、この基本特性は同じですね。

特徴的な違いとしては、一般整流ダイオードでは電気を流す役割であるキャリアが正孔と電子の2種類であるのに対し、ショットキーバリアダイオードは電子のみの1種類という点があります。電気を流す仕組みが少し違うといえそうです。

メリットとデメリット

一般整流ダイオードとショットキーバリアダイオードの特性比較

この図は、一般整流ダイオードとショットキーバリアダイオードの特性を比較したイメージです。ショットキーバリアダイオードのメリットとデメリットは以下のようになるでしょう。
メリット: 順方向電圧 Vf が低い
デメリット: 逆方向電流 Ir が高い

Vfが低いので、順方向に切り替わった時に素早く電流が流れるようになります。このことから、高速なスイッチングをするのに向いているといえそうです。キャリアが1種類しかないことで、なんとなく素早く切り替えできそうなイメージです。

Irが高いということは、逆方向になったときに電流が多く流れる、その分発熱するということになります。しかも厄介なことに、温度が高いほどIrが高くなるという温度特性を持っています。放熱が十分でないと、Irが増え、それによって温度も上がり、、を繰り返し、という熱暴走状態になって破損してしまう可能性があります。このため、どのような動作になるか明確で、放熱設計がしっかりできる設計ができる箇所で使われるのが望ましいといえます。機器の外部電源入力に使ったりすると、想定外の入力の変動で破損する可能性もあるので注意が必要です。この他、耐圧が低いという特性もあるようです。

このような特徴から、ショットキーバリアダイオードは二次電源の整流に使われることが多いようです。近年では、半導体の材料をSi(シリコン)からSiC(炭化ケイ素)にすることでIrを改善し高耐圧を実現した製品も出てきているようです。

まとめ

ショットキーバリアダイオードについて、一般整流ダイオードと比較した構造の違いと特徴について解説いたしました。Vfが低くスイッチング特性に優れており、二次電源回路などによく用いられます。一方で熱暴走しないように放熱設計をしっかりしておく必要があるといえます。

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