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人員削減の後に起こったこと

人員削減の後に起こったこと 50代技術者、これからを考える

これまで比較的大きな企業に勤めてきましたが、何度か人員削減を経験してきました。社員の立場として感じたこと、人員削減の後に職場がどのように変わっていったか、を書き留めておこうかと思います。ひと昔前は、悪化した業績を立て直す最後の手段として人員削減が実施されていましたが、昨今では、黒字であっても将来への不安から構造改革として人員削減が実施されているようです。一時的な特別損失を計上してでも、将来回復することを目指しているわけですが、本当に一時的な損失だけで済んでいるのか、本当に業績回復するのか、考えてみたいと思います。

所感としては、人員削減を実施した後に見込み通り業績回復する例は少ないように感じます。人員削減によるコストは数字で表れますが、数字等では表されにくい、社員の会社に対する信頼「信頼貯金」が失われていることに対処していない例が多いように思います。

人員削減の実施後に起こったこと

これまでに複数の会社の職場で、早期退職の募集によって人員削減が実施されるのを何度も経験しました。年齢や勤続年数に応じた割り増し退職金と再就職支援が提示されます。これは一定規模以上の大企業で一般的に行われていることだと思います。一通り応募者の退職が終わったあと、残った社員たちで新組織体制で業務に取り組みます。○○再生プラン、のようなキャッチフレーズが使われたりしますが、若干の組織変更がある程度で、業務内容自体は大きく変わらないような気がします。

しかし、人員削減実施後も、継続的に退職していく人たちが出てきます。割り増し退職金や再就職支援を得られる期間は過ぎてしまったのに、退職してしまうのです。この理由は、やはり人員削減が度々実施されることで、会社に対する信頼がなくなってきたことが原因のようです。今回は早期退職は強く進められなかったけど、次回はどうなるかわからない。ならば早いうちにもっと条件のよい会社に転職した方がよいということなのでしょう。早期退職の募集期間は短いので、その期間で次の会社を決めずに退職するのは避けたものの、そこから転職活動を始めて、内定を得られたので退職する、という流れのようです。

仕事探し

一方で会社のマネジメント層も、相次ぐ離職を防ぐことが課題になっているようです。人を減らしたいから人員削減を実施したのに、人が減ることを防ごうとするのは矛盾していて不思議に感じたのを覚えています。この理由は、人員削減実施後に退職する人たちは、転職先を決められるぐらい優秀である人が多く、職場でも中心になって働ける人が多いからだと思われます。

回復する・しないの違いは「信用貯金」

人員削減を実施した結果、業績が回復する会社とそうでない会社があるようです。この違いは、人員削減を実施した後にどうなったか、の違いであるように思います。人員削減を実施すれば、特別損失は計上されるものの、その後の人件費は大幅に下がり、業績は一時的に回復したように見えます。しかしその過程で、社員からの信用を大きく失っていることに気づかない例が多いように思います。社員と会社は信頼関係で成り立っており、その信頼は積み立て貯金のように日々の経営、業務の過程で累積していきます。しかし、会社の都合で人員削減を実施することでその積立貯金も取り崩されてしまうのです。人員削減実施後に、この信用貯金を回復させられるかどうかが、会社の業績を回復させられるかどうかに直結するように思います。

貯金箱

特別損失や人件費は明確に数字で確認できるのでわかりやすいです。しかし、信頼貯金は数字で示されることもなく、測定するのも難しいのでわかりにくいものです。アンケートや懇談会などを実施しても、正確に把握できるとは限りません。社員からの信頼を獲得するために、人員削減後に、今後は大丈夫と思ってもらえるような組織改革、業務改革が示され実施されれば、業績は回復するかもしれません。しかし多くの場合、人員削減後に目に見える数字だけが改善するので、その後は実質的に改革をあまり実施しない会社の方が多いように思います。そうすると優秀な社員の離職が続き、経営が回復せずに再び人員削減に至るということもあるようです。

社員でいることのリスクを再認識

こう考えてみると、改めて会社員であることのリスクを感じてしまいます。会社で人員削減が実施されることは、社員個人がコントロールできないことです。安定した収入を得られているというメリットがある一方で、コントロールできないことで自分の人生に影響されてしまうというリスクは常に意識しておきたいものです。一方で、人員削減のような変化をきっかけに、この会社で居続けていいのか、もっと良い道はないか、を考えることに繋げられるかもしれません。

仕事をする人

今や、会社の人員削減というのは普通によくあること、になってしまいました。一昔前とはずいぶん違うと思います。普通に起こりうることと考え、自分のキャリアアップの機会とポジティブにとらえられるようになれればよいと思います。

まとめ

会社で人員削減が実施された後に起こったことについて、私の経験とそこから感じたことを書き留めてみました。人員削減によって特別損失が計上されるものの、人件費を大幅に削減でき、経営数字は回復していくように見えます。しかし、社員からの信頼貯金という、数字では表せない経営資産が失われており、信頼貯金の回復ができるかどうかで、本当に会社の業績が回復するかどうかが決まると思います。会社員としては、会社員でいることのリスクを正しく認識して、会社をどのくらい信頼できるか、いつも意識しておくことが大切ではないかと思います。

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