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NチャネルMOSFETをハイサイドで使う ブートストラップ回路

ブートストラップ回路 回路記号で動きがわかる

ご覧いただきありがとうございます。ここでは、NチャネルMOSFETをハイサイドスイッチとして使う場合に利用されるブートストラップ回路について、ざっくりとご説明いたします。低コストな回路で実現できる反面、充電する時間が必要なため常時ONにはできないといった特徴があります。
ブートストラップとは、一般的には「自分自身で動かす」といったような意味合いだそうですが、電子回路においてもその意味から付けられた名称ではないかと思っています。

ハイサイドスイッチとローサイドスイッチ

MOSFETの動きをイメージしよう でご説明した通り、MOSFETはスイッチとして使える半導体なのですが、下図のように負荷の上側(電源側)と下側(GND側)にスイッチを付けることを考えた場合、PチャネルMOSFETは上側、NチャネルMOSFETは下側がそれぞれの特性から適していると考えられます。

ハイサイドスイッチとローサイドスイッチ

上側のスイッチのことをハイサイドスイッチといいます。PチャネルMOSFETは、G(ゲート)の電圧がS(ソース)より一定以上電圧が低くなるとONするという特徴がありますので、この図では、例えばGをGNDレベルにするとスイッチとしてON状態にすることができます。

一方、下側のスイッチのことをローサイドスイッチといいます。NチャネルMOSFETはGの電圧がSより一定以上高くなるとONするので、Gに一定電圧をかければON状態にすることができます。

一見この配置でよさそうなのですが、PチャネルMOSFETには実は以下の課題があります。
・一般的にNチャネルに比べて価格が高い
・ON抵抗が大きいため、損失が大きい
そこで、できればNチャネルMOSFETをハイサイドにも使えないか、ということを考えてみます。

NチャネルMOSFETをハイサイドに配置してみる

NチャネルMOSFETをハイサイドに配置してみると、Gの電圧をS=電源(Vdd)よりも高くしなければならないことに改めて気がつきます。Vddより高い電圧を作るため、昇圧回路などが必要になるので、それなりにコストがかかりそうです。そこで、比較的安価なダイオードとコンデンサを追加して下図のような回路を考えます。

ブートストラップ回路

コンデンサに充電されている電気を利用して一時的にGの電圧をかさ上げしようというものです。追加したダイオードとコンデンサの部分の回路のことを、ブートストラップ回路といいます。

ブートストラップ回路の動作

ブートストラップ回路の動作

MOSFETがOFFの時、コンデンサの下側の電圧はGNDと同じ0Vになり、別の電源Vccからコンデンサに充電します。ダイオードの順方向電圧降下Vfがあるため、VccからVfを引いた電圧まで充電されます。次にMOSFETをOnすると、コンデンサの下側の電圧はほぼVddになります。(正確にはMOSFETで若干電圧降下した分が差し引かれます)コンデンサは充電されているため、コンデンサの上側はVddよりも Vcc – Vf だけ電圧が高くなります。その結果SよりもGの電圧を高くできるため、ON状態を維持することができます。

コンデンサの充電量には限りがありますので、この回路ではMOSFETを常時ONにすることはできません。充電が無くなる前に再びMOSFETをOFFにして充電をしなければなりません。このため、MOSFETのONとOFFを周期的に繰り返すような制御、例えばPWM制御などを行う場合に適した回路となっています。

ブートストラップとは、ブーツのかかとに付けられたつまみのことだそうです。このつまみを引き上げてブーツを履くという様子から、自分の動作で持ち上げるという意味があるとのこと。自分の動作でゲート電圧を引き上げるという様子から、ブートストラップ回路と呼ばれているようです。

まとめ

NチャネルMOSFETをハイサイドスイッチとして使う場合に利用されるブートストラップ回路について、ざっくりとご説明いたしました。MOSFETがOFF時にコンデンサに充電し、ON時には充電された電気を使ってG(ゲート)電圧を持ち上げるというものです。周期的にON/OFF制御する場合に有用な回路で、モータ制御などで広く使われています。

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