日々仕事をしていると時々、緊急な仕事が入ってくることがあると思います。いやむしろ緊急ばかり、という職場もあるかもしれません。仕事だけではなく日常生活においても、緊急で対応しなければならないことはよく発生するのではないでしょうか。そこで、なぜ緊急な仕事が入ってくるのかをいろいろと考えてみました。もちろん、病院での急患のように本当に予測ができない緊急な仕事はあると思いますが、製造業の開発現場で考えてみると、本当に緊急な仕事というのは実はそうそう無いのではないか?と思うようになってきました。今回はそんな考え方をご紹介したいと思います。考え方のポイントとしては、
・元々緊急な仕事は無く、わざわざ緊急に変えられてしまっている
・緊急にならないような仕組みを作っておく
ということになります。私は緊急な仕事に対する考え方を改めて以降、緊急な仕事に振り回されて勤務時間が長くなることが少なくなったので、この考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
普通の仕事が緊急な仕事に変えられてしまう
私は自動車部品を開発する仕事をしていたのですが、顧客である自動車メーカーから、部品の試作品を納入する要求を多く受ける経験をしてきました。試作といっても全く新しいものを作るわけではなく、顧客の車両開発の時期に合わせて既存の製品の設定を変える程度の内容でした。とはいえ自動車用部品ですから、万が一に備え十分な時間をかけて設定変更し、検査し、納品のための各種資料を作成し、社内で承認を得るといった手順が必要でした。ところが、顧客からは1~2日後に納入してくれというような急な注文がよく来ていたのです😱当初は、お客さんの言うことだから、、、とみんなで無理して対応していました。残業や休日出勤までになんとか対応していたのですが、段々と違和感は感じるようになりました。

もし試作に1~2週間の時間があれば、これは無理なく十分に対応できる普通の仕事です。それによく考えてみれば、新しいモデルの車両というのは何年かかけて所定の開発イベントを経て量産に至るものです。ある日突然部品が必要な状態になるとはちょっと考えにくいですね🤔そこで営業に頼み、車両の開発イベントの詳細を顧客から聞き出してもらいました。顧客は当初は面倒がっていましたが、根気強く問合せをしてもらったことで、開発イベントのスケジュールを入手することができるようになりました。そうすると、このイベントがこの時期にあるから、部品もそれに合わせて必要になる、ということがだいたいわかるようになってきたのです。営業経由でその時期を把握し、余裕をもって注文をいれてもらうよう顧客に働きかけてもらうことで、徐々に緊急な注文はなくなるようになりました。以前は注文が来たら対応、という受け身の姿勢でしたが、これが普通の仕事を緊急な仕事に変えていたのです。それを改め、車両の開発イベントのスケジュールを把握する、ということを重視するようになると、結果として自分たちの仕事も普通に進められるようになったのです。
また、別の職場ではもっと酷い事例もありました。顧客から不具合が起きたということで返品されてきたときのことです。製品を検査しても異常がなくてよくわからない、、、という状態で対応が止まってしまっていました。そして数か月が経ち、顧客からどうなっているかと問合せが来て、慌てて報告書を作る事態になってしまったというものです。報告書を作ること自体は普通の仕事なのですが、よくわからないから放置したことで緊急の仕事に変わってしまったのです。
緊急にならない仕組みとは
仕事が緊急にならないようにするには、以下の2点をポイントとした仕組みを作るのがよいでしょう。
・その仕事の経緯を理解して、スケジュールを把握する
・管理ツールを使う等、忘れないような管理をする
試作の事例では、試作発注が来たら対応する、という姿勢であると問題は解決しないです。1~2日で納品して!と緊急の注文が来たら、無理して対応するしかなくなってしまいます😭しかし一歩踏み込んで、その試作発注はどういう経緯で出されるのか、と考えると改善の可能性が出てきます。部品の試作品は車両の開発イベントで必要になるのですから、開発イベントのスケジュールを把握しておけば無理なく対処ができます。無理のないタイミングで注文を入れてもらうことで、緊急にならずに普通に仕事が進められます。緊急にならない仕組みとは、その仕事がどういう経緯で来ているのかを理解し対処することなのだと思います。この経緯とは、自分や自社の仕事であるかどうかに拘らず全体を俯瞰して考えることが大切です。

また、返品の事例では、仕事の管理の仕方で対策することを考えるのがよいでしょう。シンプルにスケジュール表のタスク管理を使うのでもいいし、タスク管理ソフトを使うのもよいかもしれません。品質管理部門であれば、返品の事案にIDを付与して管理し、対応が滞っていればそれを見える形にするのが重要と思います。夏休みの宿題は、夏休み開始時点では普通の宿題ですが、何も管理せず手を付けていなければ、夏休み最終日には緊急な宿題になってしまいます!
たまには緊急を引き受けられるようにしておく
これまで書いてきたように仕事を管理する仕組みがあれば、ほとんどの仕事は緊急になることはないでしょう。残業することもなく、定時で帰れるいい職場が作れるかもしれません。しかしこれだと、融通が利かない組織という印象を持たれるかもしれませんね🤔実際管理漏れや情報伝達の不備で、(受ける側からすると)緊急になってしまう仕事はあるかもしれません。そこで、無理なく進められる仕組みができたら、たまには緊急を引き受けられるようにしておく、ということも考えておきたいものです。そのためには、普段は緊急にならない仕組みをハッキリと見える化しておき、仕事仲間だけではなく顧客や関係者にもあらかじめ明示しておく、ということが大切です。今回は緊急対応なので普段の仕組みと違います、と認識してもらえれば、そのための追加費用をいただくといった交渉もやりやすくなります。緊急を頼む側から見ても、いつもと違う特別な対応を頼んでいるということが自覚できるので、普段は緊急な仕事を頼まないよう、やり方を見直す気づきが生まれるかもしれません。

まとめ
今回は、緊急な仕事について考えてみました。緊急だから仕方ないな、と思っていると、いつも忙しい状態が続いてしまいます。そこで考え方を変えて、
・元々緊急な仕事は無く、わざわざ緊急に変えられてしまっている
と考えてみました。そして、わざわざ緊急に変わっている経緯を改めて考えて、
・緊急にならないような仕組みを作っておく
ことで対処していこうということをご提案しました。うまく仕組みを作ることで、自分や仕事仲間だけでなく、顧客などの関係者とも無理せず良好な関係を維持することができるのではないかと思います!


